Newcomer
アートに宿る深い魅力を伝えたい。作品に込められた
アーティストの魂を、來住尚彦氏が見いだします。
スペシャル対談×フランチェスコ・マッツィ
『新たな日本の美を描く』
彫刻や浅浮彫の印象を与える、立体的なマッツィ氏の作品は、日本の四季や植物を始めとする風物を優しく、強く描いている。マッツィ氏の発想の源泉をプロデューサー來住尚彦氏が聞きます。
Featured ArtistIntroduced by 來住 尚彦

フランチェスコ・マッツィFrancesco MAZZI
MAZZI FINE ART

月光に輝くブルーの竹。
新しい見え方が提示される
1977年、イタリア・リグーリア州生まれ。アルマーニのエグゼクティブ・シェフから現代芸術作家に転身し、イタリアと日本の2カ国を軸に活動を続ける。2020年MAZZI株式会社を設立し、ファインアートブランド「MAZZI FINE ART」を立ち上げる。フレームの外にキャンバスを表示する「3D FRAME PUSH-UP」を制作・発表し、新しいステージの展示方法として実用新案権を取得。このユニークなフレーミング技術は作品に大きな三次元性と新しい臨場感を与え、空間と調和する「トータルアート」として高い評価を受ける。2021年にMAZZI株式会社のオフィスと制作スタジオを大阪湾・関西国際空港近くに移転・オープンした。

日本の物語や歴史を話しながら
二人で作りあげてきた世界

フランチェスコ・マッツィ氏が日本のことを初めて知ったのは、船長だった父親から。父親は1950年代の初めに来日して、人々が親切なのに驚いたという。父親はマッツィ氏に、ヨーロッパとどんなに違うかを話してくれた。それから日本に興味を持ち、エグゼクティブ・シェフの仕事で日本に滞在することを選んだ。その後、パートナーの真綺さんと二人でギャラリーを設立した。マッツィ氏が見る日本の四季は、染めのきもののように色鮮やかだ。季節を切り取るシリーズの画面には、その季節を語る植物や光があふれている。「日本はエレガントで優しいイメージ。それでいて強いですね」とマッツィは言う。「子供の頃から、歴史、考古学、古い物語が好きだった。特に平安時代の物語が好きです」と、日本のことを学び、モチーフを生み出している。「もっと日本のことを学んで、もっと興味深い作品を作りたいですね。人生を寿ぎ、何かを記憶するための、新しい作品です。日本は私のひらめき、インスピレーションの元なんです」。