Report

D-art,ART松坂屋静岡店

■2023年6月28日(水)→7月4日(火)
■北館2階 Blanc CUBE
■本館1階 葵テラス・特設会場

▲ガラス張りの壁面や、やわらかな色調の内装が入りやすく、
一つひとつの作品がスッと引き立つラグジュアリーな空間。

北館2階「Blanc CUBE(ブランキューブ)」

本館1階 葵テラス・特設会場

大丸松坂屋百貨店が“デパートメントストアが結ぶアートと暮らしの交差点”をコンセプトに、2022年から取り組む巡回アート展「D-art,ART」が、歴史に残る名画にも描かれてきた富士山のお膝元、松坂屋静岡店へ。プロデューサー・來住尚彦氏によって選出された15のギャラリーが集結し、北館2階「Blanc CUBE(ブランキューブ)」と、本館1階「葵テラス」および特設会場の3カ所で、470点もの作品をご紹介しました。

▲まるでアートブティック。外の通りからも作品がよく見える、本館1階特設会場の様子。

中心となった会場、北館2階「Blanc CUBE(ブランキューブ)」は、2022年春の全面リニューアルで一新されたアート&ラグジュアリーサロン。その入口では、〈MAZZI FINE ART〉のイタリア人アーティスト、フランチェスコ・マッツィ氏が手がける美しい作品が、まさにラグジュアリーなムードを演出。
一方、本館1階では〈gallery UG〉の田島享央己氏の作品などが並び、クリエーティビティーあふれる空間に。こちらでは、立体作品「お彫刻」に対して、「お絵画」として氏が取り組むリトグラフコレクションも勢ぞろい。そのコミカルでかわいい表情におもわず、エスカレーターに乗る足を止め鑑賞されるお客様の姿も見られました。ほかにも自然を舞台に物語を考え、絵画や立体にして表現するという〈art gallery Komori〉の伊藤遠平氏の物語シリーズや、静岡県出身の日本画家・〈KAWATA GALLERY〉の鈴木強氏が、故郷で開催する本展のために描きおろした新作も話題に。

▲〈MAZZI FINE ART〉のフランチェスコ・マッツィ氏も北館2階
「Blanc CUBE(ブランキューブ)」に来場。会場に華を添えてくださいました。
▲〈gallery UG〉の田島享央己氏が近年探究する石版リトグラフ作品。
日本では希少な職人技で、キャラクターの生き生きとした表情を繊細に映し出しています。
▲〈KAWATA GALLERY〉鈴木強氏が故郷・静岡をイメージし、峠茶屋をコミカルに描いた
新作も。本展開催当日、描きおろしたばかりの作品を会場まで持ち込んでくださいました。

会場に限らず、北館1階スペースでも〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉裕人礫翔氏の「風神雷神図屏風」を展示。本館地階に入るJR静岡駅連絡口からも「D-art,ART」の開催をアピールすることで、アートが百貨店の中にしっくり溶け込んでいるような印象でした。また会期中は人気アーティストも在廊し、直接解説を聞ける機会も。さらに各ブースでは、おすすめする作品のそばに二次元コードPOPを設置。その場でデジタルアートをダウンロードできるなど、新しいアートの楽しみ方もご提案。
わざわざギャラリーを目指して…というよりは、静岡店に通い慣れたお客様が、何となくアートをご覧になられ、ファッションやインテリアのような感覚で気に入った作品をご購入されている様子でした。
今後も、アートが“もっと気軽に、自由に、身近に”なれるよう「D-art,ART」の取り組みはまだまだ続きます。どうぞ、次回もお楽しみに!

▲各ギャラリーおすすめの作品のそばには二次元コードが。
その場でデジタルアートをダウンロードできるように。
▲北館1階では「風神雷神図屏風」がお出迎え。京都・西陣の伝統的な金銀箔加工技術を
用いて貴重な文化財保護にも貢献する金属箔アーティスト〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉裕人礫翔氏(写真人物)が、高精細複製で作製。

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各地を巡った、これまでの「D-art,ART」も振り返れます。