開催主旨
1926年(大正15年)、安野光雅は島根県津和野町に生まれました。画家、絵本作家、装丁家、デザイナー、著述家として半世紀以上にわたり幅広い分野で創作活動を続け、2020年、94歳の生涯を閉じました。
安野の数ある作品の中で、風景は代表的なテーマのひとつです。国内外を旅しながら描いた風景画は、静かな余情を湛え、見る者の心に語りかけてきます。
そして「空想」することも安野が大切にしたことの一つ。空想しながら自分の心で感じたことを楽しく、やさしく絵に描いていく。代表作である『旅の絵本』や『空想工房の絵本』はそうして生まれました。
本展では安野が旅し、空想し、描いた風景の世界を見つめます。ヨーロッパの国々や日本の各地、さらに司馬遼太郎と旅して描いた風景の数々。世界的名作であり、自然、そして街の描写も美しい『旅の絵本Ⅲ』〈イギリス編〉は全場面を展示。さらに安野自身の子ども時代を描いた『ついきのうのこと』、切り絵の表現がユニークな『昔咄きりがみ桃太郎』といった絵本の世界。デザイナーとして取り組んだ装丁とその原画など、安野の多彩な仕事を120点を超える作品、資料から紐解きます。
©空想工房 画像提供/津和野町立安野光雅美術館
安野光雅(1926-2020)
1926年3月、島根県津和野町に生まれる。教師を務めながらデザインや装丁の仕事を手掛け、1968年に文章がない絵本『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビュー。好奇心と想像力の豊かさで独創性に富んだ作品や、やさしい雰囲気の漂う水彩で描いた風景画などを数多く発表した。美術のみならず科学・数学・文学などにも造詣が深く、エッセイ、画文集、装丁など幅広い分野で活躍。知的で独創性溢れる作品は幅広い層を魅了し、絵本のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞画家賞をはじめ、2008年に菊池寛賞、2012年に文化功労者顕彰、2014年に中国文化賞など数々の賞を受賞。2001年には、故郷の津和野町に安野光雅美術館が開館した。代表作に『ふしぎなえ』、『ABCの本』、『天動説の絵本』、『旅の絵本』、『繪本 平家物語』、『繪本 三國志』や司馬遼太郎の紀行『街道をゆく』の挿画など。『ふしぎなえ』、『さかさま』、『ABCの本』、『旅の絵本』などの多くが海外でも評価が高く、様々な国で出版され多くのファンをもつ。2020年12月、94歳で逝去。
ギャラリー・トーク
本展キュレーター林綾野氏が会場をまわりながら展覧会の見どころをお話しします。
日時:3月11日(火) 14:00~14:30
- ・参加無料/要展覧会チケット
- ・展覧会会場入口に直接お越しください。
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会場では安野光雅の絵本やエッセイ集などの書籍や安野光雅美術館のオリジナルグッズの販売を行います。
基本情報
安野光雅 旅と空想の風景
会期 | 2025年3月11日(火)→31日(月)
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会場 | 大丸ミュージアム〈京都〉[大丸京都店6階] |
入場時間 |
午前10時→午後6時30分(午後7時閉場)
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入場料<税込> |
一般・大学生:1,200円(1,000円)
【チケット販売スケジュール】
【購入方法】 |
主催:京都新聞社
特別協力:津和野町立安野光雅美術館
企画協力:アートキッチン
©空想工房 画像提供/津和野町立安野光雅美術館