Report Daimaru UMEDA

大丸梅田店
2024年10月2日(水)→7日(月)
15階 大丸ミュージアム
◎15階大丸ミュージアム

日本のアートを牽引するギャラリーが百貨店へ。
「まいにち、衣食住+アート。」をコンセプトにスタートした「ART365」が、折しも秋のアートシーズンに大丸梅田店で初開催されました。

暑さもようやく落ち着き、秋の気配を見せた大阪。そのターミナルデパートである大丸梅田店の会場に、日本各地から19のギャラリーが集結。世界的に人気を誇る個性豊かな現代美術作家から、今後の活躍が期待される若手作家まで、幅広いアーティストの600点以上の作品が一堂に会しました。

また大丸梅田店独自のアートイベント「ART! ART! OSAKA」も、ほぼ同時期に開催中で、各フロアにはオープンなアートスポットが点在。「ART365」も、入場料がかからず気軽に鑑賞できるため、感度の高い若いお客様も自然に15階へと引き付けられ、全館でアート巡りを楽しまれていました。

アートを楽しむお客様
会場内

そうした自由な雰囲気の会場でひときわ注目を集めていたのが、〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉の高村総二郎氏による浮世絵を背景にした作品群や、〈Shibayama Art Gallery〉の木須葵悠氏や出口雄樹氏、そして〈Seta Gallery〉のAruta Soup氏の作品。さらに、壁いっぱいに展示された〈秋華洞+SCENA〉の三松拓真氏の作品も印象的でした。
会場には、アーティストも多数来場。アーティストから直接、作品に込められた深い思いや概念を伺い、そのまま購入されるお客様もいて、多様な作品群や、その作者ともリアルに触れ合える貴重なアートフェア「ART365」の醍醐味を体感されていることが窺えました。

高村総二郎氏による浮世絵を背景にした作品群
出口雄樹氏の作品
Aruta Soup氏の作品

「ART365」は、精力的にアートに取り組むアーティストと、その作品に、お買い物がてら、散歩がてら、気負いなく出会える場。お気に入りの作品に囲まれて365日を過ごす。そんなアートライフは決して夢でない…と、今回訪れたお客様はきっと実感したのではないでしょうか。今後もたくさんの作品とともに全国へ繰り出します。どうぞご期待ください。

轟友宏氏

キュビズムにも通じる独創的な1本の線にこだわる轟友宏氏。見る人の笑顔を引き出し、ポジティブな気持ちにする。そんな作品を描くことをテーマにしているという。

川崎夏美氏

人の手が加わった自然をモチーフに漆の研ぎ出し技法を駆使。約20層からなるアクリル絵の具を削り出すことによって色の層(レイヤー)の違和感を生み出していると、語る川崎夏美氏。

吉田学氏

ドライバーがハンドルを握って走る姿が一番かっこいい。その車の個性からイメージした疾走風景を描くという吉田学氏。スピード感の表現がポイントになっている。

石野まゆ氏

グラフィックデザイナーでありながらアート作家として活動する石野まゆ氏。デジタルとアナログを融合した下絵から、デザイン的なアプローチで情報を削ぎ落とし、人の内面にある感情をポップなカラーでポジティブに表現している。

山本真矢氏

動物の中にある躍動感をありのままに描くのではなく、あえて蛍光色を取り入れて色鮮やかに、本物よりも印象的に。日本画と洋画の多様な技法を駆使していると、山本真矢氏は話す。

高村総二郎氏

アメリカンポップアートと、日本のポップアート“浮世絵”を掛け合わせることで自身が長年愛好する商品の魅力を訴えたいと語る高村総二郎氏。強い商品愛で広告を作っている感覚なのだとか。

潮田友子氏

絵画を学びに渡ったドイツで滞在中に出会った道具にこだわり約50年。筆を使わない独自の技法で塗り重ね、削り…微細に調整を繰り返すことで生まれる線と色。「“永遠に下地を作り続ける”そんな心境です」と、潮田友子氏。

甲村有未菜氏

自身が見た景色と記憶の中にある景色を、和紙に岩絵具で彩色する日本画の技法で表現。そこには“心地よい間合い”と、海への憧れが。生活空間に飾ってゆっくり眺めてもらえたら…と甲村有未菜氏は語る。