Report Daimaru TOKYO
異例の猛暑が長引く2025年8月末。「ART365」は、初秋とは名ばかりの残暑厳しい東京へ。ひと足早く「芸術の秋」へトリップしていただこうと、アートシーンを牽引する日本からの19のギャラリーに加え、海外からも2つのギャラリーが出展。11階の催事場と1階イベントスペースに、350点以上の作品が集結しました。
しかも舞台は、東京駅から直結の好立地百貨店。1階入り口のイベントスペースでは、中華圏のコレクターから絶大な支持を受けるHRDARTのプロジェクト「Polaris from Asia」を開催。日本の注目アーティスト・金田涼子さんの特集をはじめ、アジアの注目ギャラリーや、海外で活躍するアーティストたちの作品を一堂にご紹介し、連日大盛況となりました。


さらに2会場のほかにも、日頃から往来の多い10階エレベーター前で「“EXPO 2025 ART BLOOM”BY A4GALLERY」を開催。こちらは、日本とアジア各国で活躍する現代アーティストによる、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」など万博IPを使用したアート作品を巡回展示するプロジェクトですが、大阪・関西万博開催のタイミングとも重なって、会場には大勢のお客様がご来場くださいました。大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」は、東京でも人気拡大中のよう。日本のみならず海外のアーティストによる作品も展示された会場は、まさに万博らしく“世界”を体感できる空間に。


期間中は、多くのアーティストも来場。連日盛りあがりをみせていました。〈Gallery Futaba〉のITOKiN氏は、会場でお客様とコミュニケーションしながらインスピレーションで描くライブイベントを開催。できあがった作品は気軽な価格でお買いあげいただけるという趣向もご好評いただき、店頭は大賑わいに。
また、〈SOMSOC GALLERY〉のCASE-K MOONSHINE氏の作品前は、画だけでなく伝説的な音楽プロデューサーであった氏自身に関心を持つ、多様な方が集まってきているのが印象的でした。

60年代のレコードジャケットや音楽に洗礼を受け、90年代の音楽シーンの最前線で感じた“表現することの重要性”。〈SOMSOC GALLERY〉の CASE-K MOONSHINE氏は、シルク印刷、アクリルペイント、ペンキ、デジタルアートなど、自己表現のためには手法を選ばない。アートにおいても音楽においても“表現することの重要性”を信条としている。







〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉のキタダタキ氏は、「抽象画を認めてもらえた手ごたえがあった」と話していましたが、確かに、いたるところでアートに遭遇し、創作も、発信も、交流も盛んな全国屈指の現代アート都市・東京での開催というだけあって、目の肥えたお客様が多く、ほかのエリアとはまた違った作品にも人気が集まっているようでした。
またバリエーションが多岐にわたり、日と場所を分散させての開催も功を奏してか、何度も足を運んでくださるお客様も。新しい感性を求める街のエネルギーを実感しました。

自由奔放の象徴として描く“猫”、迷い続けている象徴として描く“自分”。多くの情報が飛び交う現代において一つに決めることなく、迷い続けることへの肯定感をこの作品から感じてほしいと語る、〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉のながのかおり氏。

混沌とした都会の中にある美しさ。実際の風景にさまざまなモチーフを織り交ぜて多彩な技法を重ね合わせたカオスの中から見えてくるユートピアを、作品を鑑賞してくださる方それぞれに感じてもらえたら…と、〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉のキタダタキ氏は語る。

自分の目で実際に見ている身近な現実世界を、少し違う視点から記憶を頼りにキャンバスに落とし込んで描いていく。油彩ならではの透明感と物質的な美しさを、作品を通して表現していきたいと語る〈Gallery ACCESS〉の金子貴富氏。

絵画の元になるのは、実際には存在しない、AIが生成した人物像と背景。絵画を鏡と捉えたとき、そこに映るのは人間だから、人間を描きたいという〈GALLERY KTO〉の大西晃生氏。イメージは瞬時に消えてしまうけれど、手に触れられる作品として具体化している。

大学で量子力学を学んでいたという異色の経歴から、半導体を粉砕し、プロダクトの機能を無にして画材にする〈TOMOHIKO YOSHINO GALLERY〉の淵上直斗氏。“本来の形”から“単純化された形”への変化の中に生まれる差分を物理学的な視点から、自分にしかできない新たな表現の可能性を模索し続けている。

イギリス留学時代に「ART」をコンセプチュアルに表現することを学んだ〈SMART SHIP GALLERY〉の内田有氏。大量生産・大量消費が起こす地球温暖化現象を、大衆が食べるアイスキャンデーと溶けていくシロクマをモチーフに、数百体もの作品に落とし込んで現代社会で起こっている問題を訴え続けている。

自分の知ったコト、学んだコト、見てきたモノを、思いのままにペン画で緻密に描く。抽象画と写実画の融合した面白さに、細かい情報が交錯する中で、目を見開いて作品の隅々まで“私好み”を発見してほしいと語る〈八犬堂〉のMARINA氏。
期間中、多数のアーティストが来場。実際にお会いして作品への想いを聞けるのは、「ART365」ならでは。
大丸東京店ART365 参加ギャラリー
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[Artglorieux GALLERY OF TOKYO]/東京
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[MU GALLERY]/東京
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[Gallery ACCESS]/大阪
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[GALLERY ISHIKAWA]/東京
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[GALLERY KTO]/東京
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[GALLERY CLEF]/岐阜
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[Gallery Seek]/東京
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[Gallery Futaba]/静岡
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[ギャラリーMOS]/三重
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[gallery UG]/東京
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[The Tolman Collection, Tokyo]/東京
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[Shibayama Art Gallery]/東京
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[SMART SHIP GALLERY]/東京
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[Seta Gallery]/東京
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[SOMSOC GALLERY]/東京
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[TOMOHIKO YOSHINO GALLERY]/東京
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[八犬堂]/東京
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[藤アート]/愛知
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[MEDEL GALLERY SHU]/東京
特別企画
HRD ART アートプロジェクト
「Polaris from Asia」
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[ARTIFY ART GALLERY]/香港
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[ART FOCUS]/バンコク