Report Daimaru SHINSAIBASHI
今年4月から半年に渡り開催されていた「EXPO 2025大阪・関西万博」も閉幕目前となり、大賑わいを見せる10月。「ART365心斎橋」にも国内外から大勢の方にご来場いただきました。
特に今回は、大丸・松坂屋による現代アート巡回展の初舞台となった心斎橋店での開催ともあって、多くのアーティストとアートファンの姿が。
心斎橋PARCO14階の2会場と、大丸心斎橋店本館1階の会場に、日本国内の24ギャラリーと、アジアのアーティストを紹介するプロジェクト「Polaris from Asia」が登場。約200名のアーティストによる総勢約800点のアート作品が展示されました。

第1会場となった心斎橋PARCO14階は、天井が高く開放的な空間。そこへ上がるだけで気分が良く、いっそう期待が高まります。会場では、アジアの注目ギャラリーと、金田涼子氏などアジアで活躍する日本のアーティストをピックアップした〈HRDART〉のプロジェクト「Polaris from Asia」をはじめ、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」など万博IPを使用したアート作品の巡回展示プロジェクト「“EXPO 2025 ART BLOOM ”by A4GALLERY」や「吉乃友酒造『后』×町山耕太郎コラボ日本酒 受注会」などのイベントが同時開催。“ミャクミャクアート”が展示された会場は、海外からも多くのお客様が集まり、今回の万博開催地・大阪ならではの活気あふれる空間に。〈八犬堂〉が取り組む若手アーティストの公募展「いい芽ふくら芽」のブースも、お客様の投票も反映されるということもあってか、若い方がいっぱいで賑やかなムード。入選作家の多くが在廊していて、お客様と楽しそうに歓談されているのが印象的でした。


一方、第2会場の大丸心斎橋店1階 御堂筋側イベントスペースでは、80’sテイストの現代の女の子をメインとした作品で活動し、国内外のアートフェアに多数出展している大阪出身のアーティスト・Hime氏の「Hime solo exhibition 〜Ladybird〜」を開催。展示された作品は聖母マリアの象徴とされる“Ladybird(てんとう虫)”をテーマに描き分けたさまざまな女の子たち。ファッショナブルで洗練されたタッチも心斎橋のイメージにぴったりで、ファッションとアートが好きなお客様の関心を集めていたようです。

ほかにも、〈SOMSOC GALLERY〉で展示された、コシノミチコ氏の空気で膨らませる服「インフレータブル」にCASE-K MOONSHINE氏のハンドペイントが描かれた新ジャンルの作品や、〈Gallery ACCESS〉のB.S.M Billy氏によるまねき猫、〈GALLERY CLEF〉の江藤雄造氏が描く漆アートなどなど、現代美術の世界で名を馳せる作家から今後の活躍が期待される若手の作品まで、話題作品が充実する中、若い方も海外のお客様も幅広い層の方々にお集まりいただき、「大阪らしい!」「ワクワクした!」というお声も。大阪・関西万博同様に誰もが楽しめる賑やかな「ART365」となりました。今回、アートの魅力にハマッたお客様も「また来てな!」。










〈Satelites ART LAB.〉の「fRAum®/フラウム」は、欧州で学んだアートカリグラフィーで表現するアーティスト YOKO FRAKTURE 氏と、先端技術から伝統工芸まで幅広い空間デザインを手がけてきたブランディングプロデューサー KAZUKI KUMONO 氏によるユニットである。 彼らは、詩の文字を視覚芸術として実体化する独自の表現法 「Poésigraphie(ポエジグラフィー)」 を通じ、アートの枠を越えた新たな創造の可能性を追求している。その活動は福祉・医療・教育分野へも広がり、能登半島へのエールを贈る復興支援プロジェクトや、大阪万博の舞台での表現にもつながっている。

広告のグラフィックデザイナーを経て、自分の内に秘めてきた「キャンバスに絵を描きたい」、「画家になりたい」という“夢”を実現しようと、2024年から作家活動を開始した〈SMART SHIP GALLERY〉の小林亜沙氏。彼女の描くキラキラした瞳で未来を見つめる「memeco」は、幼き頃に思い描いた夢や、“何でもできる”と信じていた純粋な心を応援しているかのよう。あの時の想いを叶えてあげたいと、創作を続けている。

幼少期をブラジルで過ごし、現在は日本を拠点に活動する〈SOMSOC GALLERY〉のジゼル愛華氏。ブラジルでは油絵作家の祖母に影響され、来日した際に出会った東京の夜景や近未来的な雰囲気や活気ある街並み、そして可愛らしいポップカルチャーやファッションにインスピレーションを受け、元気でカラフルな作品を独学によるピクセルアートで描いてきた。ピクセルアートという一見ノスタルジックな表現で、近年は日本の風景と風情、そこに異なる伝統や神話を掛け合わせた “時空の旅”をテーマに制作を続けている。

大学では油絵専攻。当時すでにテーマとして存在していたという「occhan(おっちゃん)」。どこか親しみの持てる不思議なモチーフが、平面にも、立体にも行き来する。ボーダー柄には、違いを示す境界と、新しい世界の架け橋へ変えていく前向きな意味を込めている。社会問題に端を発したものなど負の要素も含め昇華し、人が垣間見せる明るさや楽しさを「occhan」で表現しようとする〈GALLERY ISHIKAWA〉の堀川由梨佳氏。今回は、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」とのコラボレーションも実現。

半世紀前、絵画をより深く学ぶために海をわたり、ニューヨークでドローイングを専攻。その後はヨーロッパを中心にさまざまな国々を拠点として芸術を磨きあげてきた〈Gallery TOMO〉の篠原猛史氏。渡欧中、西洋絵画で一番耐久性が強いとされる深い青「メディテラニウムブルー(地中海の青)」に出会った氏は、「今生きている人に共感してもらえるようなアートを送り続けたい」という強い想いに至る。この深い青は、永続する時間の表象。原作が色褪せず後世に続くようにというメッセージになっている。

最初に粘土で架空の生き物を立体造形し、その立体感を絵画にする。作品の中には、愛や優しさなど人から溢れ出てくる喜怒哀楽を表現しながら、明るく前向きな印象の色を使い、そこにユーモアやぬくもりを添え、すべてが一つの世界に生きていることを伝えようとする〈PAHO gallery〉のピーター・オフェイム氏。今回は特別に会場で作品制作を行い、そのプロセスを実際にご覧いただいた。何もないところから作品を生みだすおもしろさは、抽象画ならではだ。
期間中、多数のアーティストが来場。実際にお会いして作品への想いを聞けるのは、「ART365」ならでは。
大丸心斎橋店ART365 参加ギャラリー
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[Artglorieux GALLERY OF TOKYO]/東京
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[AREA154Tokyo]/東京
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[Gallery ACCESS]/大阪
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[GALLERY ISHIKAWA]/東京
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[GALLERY CLEF]/岐阜
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[Gallery Seek]/東京
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[Gallery Cellar]/東京
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[GALLERY TOMO]/京都
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[Gallery Futaba]/静岡
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[ギャラリーMOS]/三重
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[gallery UG]/東京
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[GYOKUEI]/東京
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[Satelites ART LAB.]/東京
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[Shibayama Art Gallery]/東京
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[SMART SHIP GALLERY]/東京
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[Seta Gallery]/東京
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[SOMSOC GALLERY]/東京
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[TOMOHIKO YOSHINO GALLERY]/東京
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[nada art gallery]/東京
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[八犬堂]/東京
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[PAHO gallery]/広島
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[MEDEL GALLERY SHU]/東京
特別企画
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[YOD Gallery]/大阪
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[A4tokyo gallery]/東京
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[HRDART]アートプロジェクト「Polaris from Asia」