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D-art,ART大丸札幌店

■2024年7月3日(水)→8日(月)
7階催事場
■2024年7月3日(水)→9日(火)
1階イベントスペース

7階催事場

1階イベントスペース

大丸松坂屋百貨店が“デパートメントストアが結ぶアートと暮らしの交差点”をコンセプトに、2022年から取り組む巡回アート展「D-art,ART」が2024年7月、ついに北海道・札幌へ初上陸。会場となった7階催事場と1階イベントスペースに17のギャラリーから約500点の作品が披露されました。

店内に入ると、中央の吹き抜けに北海道出身の気鋭アーティスト〈gallery UG〉の野原邦彦氏の巨大バルーン作品が、まさにスイマーが空中に浮遊するように大胆に展示されていました。ご来店のお客様がそのインパクトに思わず息をのみ、歓声を挙げる様子も。1階会場では、野原氏のバルーンにちなんだ平面と立体の複数の作品を同空間に展示。目的なくブースを訪れたお客様も飽きずに眺められていました。

▲札幌店では初登場。7メートルを超える作品「雲間」(2022)が頭上に!
▲大丸札幌店では3度目の個展という野原邦彦氏。「見てもらいたかった人に見てもらえたり、再会があったり、そんな地元ならではの喜びが次のつながりを生む機会になりました」と、語る。

7階会場でも多くの作品を展示する中、注目を集めていたのが〈seta Gallery〉の轟友宏氏、〈Shibayama Art Gallery〉の木須葵悠氏、〈Artglorieux GALLERY OF TOKYO〉の裕人礫翔氏、〈gallery UG〉の田島享央己氏などの作品です。土日はひときわ大盛況で、海外から観光で来られているお客様の姿もこれまでの会場以上に多くいらっしゃいました。また北海道出身の〈八犬堂〉小島柚穂氏など、作家自身が来場したブースは特に盛りあがりを見せていました。

▲〈八犬堂〉小島柚穂氏は、生まれ育った北海道の雪、雨粒、光などの心象風景を伝統的な技法(型染め)を使って表現している。「モノトーンの抽象画に置き換えることで鑑賞者自身の心の風景を感じてもらえると嬉しい」と、話す。
▲「同色でも岩絵具の粒子の違いから生まれる質感のグラデーションで、生の絵の具を感じてほしい」と、〈ギャラリーMOS〉の日本画家・藤木貴子氏。素材写真は撮らずスケッチし、水彩絵具で色をつける工程を繰り返すことで独自に理解し、自身の作品に落とし込んでいるそう。
▲大きなスクリーンでは各ギャラリーを動画で紹介。多くのお客様が立ち止まって見つめていた。

エスカレーター前には裕人礫翔氏の国宝「風神雷神図屏風」を展示。同時に作品でAR体験ができるイベントも。
いつも札幌店をご愛顧いただいているお客様はいつもと違う札幌店を、一方で観光ついでにご覧いただいたお客様は、札幌の美しい街の雰囲気も込みで楽しんでいるようでした。「これまで、今、これから…一期一会のつながりを再確認した」と語っていた野原氏の言葉通り、アーティストとお客様がまたどこかで…そんな次へのつながりを予感させました。

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