Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「”1000”GLITCH」

2026.1.15

「”1000”GLITCH」

Akira Terada

素材・技法:アクリル板・UVプリント/2025年
サイズ:H51.5×W57.3cm

風景を自分の世界に作り変える、
Akira Teradaのデジタル都市写真。

デジタル・フォトから新たな世界を作り出すAkira Teradaは、デジタル画像のノイズやバグを意味するglitch(グリッチ)をテーマにしている。制作時間は30分と決めている。「1枚の画像から得た着想を、直感的に自分の世界に作り変えていくので、時間を制限しています。それは自分にとってのゲームです。世界の断片である写真を1枚だけ選び、範囲を選択して、回転・反転・歪曲・重層という手法で表現します。この過程を日々楽しんでいます」というAkira Terada。「都市の中で日頃なんとなく感じている違和感が可視化されることで、見慣れた風景がまったく違うものに見えてきます」とそのコンセプトを語っている。

「”1000”GLITCH」深掘りポイント

この作品は、1000作目を記念したもの。Akira Teradaは制作活動を始めた頃の気持ちで、画像を再解釈・再構成したという。いつもはしないことだが、この作品だけは元の写真の向きを天地逆にした。それによって、不思議な浮遊感を見る人に与えている。「初期の作品をリスペクトして、シンプルな長方形で風景のある範囲を選択しました。それを反転させたり回転させたりして画面を構成し、都市風景を変えることを試みました。空と都市が介入しあい、元の風景も残像のように重なり合う、複雑な世界を作れたと思います」と自作を解説している。原点に立ち返ることで、自身の作品の、未来につながる可能性を再認識することになった。

「”1000”GLITCH」深掘りポイント

Akira Terada

1996年生まれ、大阪府出身。近畿大学大学院総合理工学部建築デザイン専攻修了後、組織設計事務所に勤務。2022年2月に「Photo Glitch GAMER」としてアーティスト活動開始。同年、​村上隆主催「GEISAI#21」、アントニ・ガウディの「カサ・ミラ」で作品出展。’23年にANA(全日本空輸)が運営する、エアライン業界初NFTマーケットプレイス「ANA NFT」でプレスリリースアーティストに抜擢され、作品出展・販売開始、ニューヨークのTimes Squareで作品発表。’24年ART FAIR TOKYOへ出展。現在、国内外で活動している。​Instagram、X、blue skyにて毎日作品を投稿中。