Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語
作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

2026.1.27
「なめこの味噌汁 memeco -I’m into you-」
小林 亜沙Asa Kobayashi
素材・技法:レジンキャスト・アクリル彩色/2025年
サイズ:H12.0×W12.0×D12.0㎝
小林亜沙は少女のキャラクターに
自分を応援するパワーを託す
小林亜沙が描くmemecoというキャラクターは、見る人の心の中にいる「小さいころの自分」をモチーフにした女の子だ。「やりたいことにまっすぐで、夢に素直だったあのころの自分。大人になると、人に気を遣ったり、誰かを励ますようになる反面、自分を後回しにしてしまうことがあります。でも、もしあのころの自分に出会えたら、『やりたいことをやろうよ!』と背中を押してもらえるはず。memecoを見た人にとって、自分を応援してくれる存在になれたらという想いで制作しています」という小林。お椀シリーズのコンセプトは「好きすぎて沼ってます」。大好きな「なめこの味噌汁」にどっぷりつかりたいと願っていた子どものころの思いを形にした。

「キャンバスに描いていたお椀シリーズをどうしても立体にしたくて、素材選びから手探りではじめました。同じシリーズとして形がぶれない工夫や、魅力的なフォルムを見つけるまで何度も試作を重ねています」と語る小林。レジンという素材を使うのは初めてだったため、種類や性質を理解しながら、自分の表現といちばん相性のよい方法を探すのに時間がかかった。「特に注目してほしいのは、memecoの目のキラキラです。見る人の心の奥にいる『小さかったころの自分』とつながる入り口になるようと、レジンや繊細な色彩を重ねて小さな灯りを灯しました。作品と向き合ったときに心の声と対話するような感覚が生まれることを願っています」という。

小林 亜沙Asa Kobayashi
[SMART SHIP GALLERY]
京都精華大学芸術学部デザイン学科卒業。広告代理店でイラストレーター兼コピーライターとして勤務。ホテルマーケティング部グラフィックデザイナーなどを経て、2024年から作家活動を開始。’24年京都個展 (be-kyoto gallery)、12 Unknown Asia 出展。’25年大阪個展(待夢-TIME- gallery)、monochrome展(東京)出展、Independent Tokyo 2025 出展、Independent Tokyo 2025審査員特別賞受賞(朴ソネ氏/SH gallery)。