Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「星空ショッピング」

2026.8.6

「星空ショッピング」

野原 邦彦Kunihiko Nohara

素材・技法:FRP/2026年
サイズ:H33.5×W13.0×D11.0cm、ed:18

「幸福の瞬間」をかたちにする、
野原邦彦の彫り出す力

野原邦彦は、木彫作品を中心に、ブロンズ、平面作品、伝統工芸、スウィーツとのコラボレーションなど、幅広く活動している。
​ 無意識に通り過ぎてしまう日常の「幸福の瞬間」を切り取り、記憶につながる情景として作品へ昇華することが、野原の制作の根幹である。​
​ 作品に登場する水中メガネを着けたスイマーは、お互いの表情が見えにくい情報社会における、人と人との関係性の曖昧さを示唆している。​
​ 一方で、その姿は1500年前の仏像と同様に、多くの人へ手を差し伸べる存在でもある。​
鑑賞者との関係性を築きながら、ともに未来へ歩んでいきたいという願いが込められている。

「星空ショッピング」深掘りポイント

アートと社会を柔軟な着想で結びつけ、新たな接点を生み出してきた野原の創作姿勢は、本作《星空ショッピング》にも色濃く表れている。​​
​ 本作は、銀座のLOUANGE TOKYOと愛知のPUKUPUKU FARMとのコラボレーションをきっかけに誕生した作品である。​​
​ 希少品種「よつぼし」を口にした際、そのみずみずしい味わいと、苺の種が夜空に輝く星々のように見えたことから、​自身が長年描き続けてきた「星空」や「星」のモチーフと結び付いた。​​
​ 野原にとって「星」は、幼少期に故郷・北海道で見上げた満天の星空や、父親となってから娘とともに天体観測をした思い出へとつながる、​時を超えて心に宿り続ける大切なモチーフである。​​
​ また、スイマーが手にするショッピングバッグには、代表作《カプチーノ》が描かれている。​​
​ 《カプチーノ》もまた、野原が一貫して表現してきた「ひとときの幸せ」を象徴する重要なモチーフであり、本作にもその世界観が受け継がれている。​ ​


希少品種「よつぼし」の最高品種『ぷくぷくいちご』を用い、​野原の作品をかたどったチョコレート「PUKU PUKU ICHIGO CHOCOLATE 2026」​​

「星空ショッピング」深掘りポイント

野原 邦彦Kunihiko Nohara

1982年北海道出身。2007年広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻修了。​
国内外で多数の出展実績あり。2026年 HOTEL VISON(三重)「忘れていた時間を、もう一度。HOTEL VISON × 彫刻家・野原邦彦」、ART CENTRAL HK(香港)、六本木蔦屋書店 個展「Time Collage」2025年 Palm Beach Modern + Contemporary 2025(アメリカ)、gallery UG Tennoz(東京)個展「泡と花」、gallery UG Tennoz(東京)個展「SHABON」、ART CENTRAL HK(香港)、ART TAICHUNG 2025(台湾)、OIL by 美術手帖ギャラリー(東京)「Chill art」、パークホテル東京(東京)「Chill Art Summer [ART colours vol.44]」、大阪城ホール(大阪)OSAKA INTERNATIONAL ART 2025【作品収蔵】広島市立大学芸術資料館(広島)、コウノトリ生殖医療センター(台湾)、淮海街(蘇州新区, 中国)、SAKIA(淡路島, 兵庫)、花吉兆(京都)。