Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「共闘」

2024.10.1

「共闘」

山本 真矢Maya Yamamoto

素材・技法:油彩・金泥・パネル/2024年
サイズ:H65.2×W53.0cm

理想のトラに山本真矢が込めた
美しくて強い「戦う気持ち」

山本真矢にタイトルの「共闘」の意味を聞くと、「見る人が共に戦う気持ちになるという意味です。このトラは戦う気持ちの象徴です」と言う。力を秘めた表情を重視して、威厳がある理想のトラを描きあげた。理想の存在なので、実際の毛並みの色よりも鮮やかなものを選んでいる。写実の表現を使いながら、本物よりも印象的に描くのが山本の作法。「写実で、鮮やかで、色濃く」という大胆なアプローチで、トラに迫っている。「色は使いたいと思ったものを使っている」そうだ。

「共闘」深掘りポイント

トラの顔の中でも、目には特に気を遣っている。緑色の目を描くために、山本は「色を濁らせたくない」と、まず黄色の絵具を塗って、それが乾いてから透明感のある緑を重ねているという。左前足の白い毛の部分にはさまざまな色を使っているのがわかる。影というよりもトラの心象のように見える。ひげのような長い線を描くのが好きなので、ひげは楽しく描くことができたという。この生き生きとした線があることで、トラの表情に一層のリアリティーが感じられる。

「共闘」深掘りポイント

山本 真矢Maya Yamamoto

1993年北海道生まれ。2015年学習院女子大学国際交流学部国際コミュニケーション学科卒業。2015年第100回記念二科展絵画部入選、2016年第101回二科展絵画部入選。2018年シェル美術賞展入選オーディエンス賞第二位、第103回二科展絵画部入選。2019年第104回二科展絵画部入選、第3回ホキ美術館大賞入選。2020年21世紀のメッセージ展岐阜展入選、国際平和美術展京都展入選、10th DISCOVER THE ONE ART 2020 in Paris 審査員特別賞、国際平和美術展リトアニア展入選。2021年WORLD PEACE ART EXHIBITION 2021入選 、日本の美術全国選抜作家展入選、MINERVA2021 京都展入選、MINERVA2021 ロンドン展入選、21世紀のメッセージ展 入選、WORLD PEACE ART EXHIBITION 2021 in New York入選。