Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「サルクマ」

2024.10.1

「サルクマ」

坂田 源平Genpei Sakata

素材・技法:木・アクリル絵具/2024年
サイズ:H26.0×W19.0×D25.0cm

想像上の動物たちが動き出す、
坂田源平の自由な造形哲学

「もともと、ユニコーンのような想像上の生き物が好きでした。昔、阪神パークにいたヒョウとライオンを掛け合わせたレオポンも気になりますね」と、今の動物シリーズ誕生のきっかけを語る坂田源平。平面作品から始まったシリーズだが、どんどん彫刻が増えていった。「この作品、最初はシロクマだったんです。ポーズがサルっぽいなと思って、サルに寄っていった」とサルクマが生まれた。どの動物も頭が大きい。「バランスはぱっと見て変やと思うんですよ。僕にとってアンバランスな事がしっくりとくる」という。「彫刻を買っていただいた方が以前飼っていた犬に似ていると喜んでくれました。それはウシだったんですけど、とてもうれしかった」という話が坂田らしかった。

「サルクマ」深掘りポイント

目は平面作品を描き始めた時期から黄色にしている。少し色みは変化しているが、黄色を使うことは変わらない。その理由は、「好きな色だから」。ボタンのような目がニュートラルな表情をつくり出している。自分で動物をつくっている途中にも、「誰かに似てるな」と思うときがある。また、よく本人に似ているとも言われる。動物の変わったポーズは、自分でやってみている。この作品は歌舞伎の見得(みえ)のイメージ。動物園で動物が変な動きをしているのも参考にしている。

「サルクマ」深掘りポイント

坂田 源平Genpei Sakata

1987年京都府出身。2009年個展「ちょっとアニマル」、IMA ART AUCTION 2009、ART STREAM 2009。2010年個展「坂田源平」、IMA ART AUCTION 2010、三菱アートゲートプログラム 9。2011年三菱アートゲートプログラム 10、VAADビジュアルアート大賞優秀賞、個展「坂田源平」、アートフェア東京2011、アートフェア台北。2012年個展 、アートフェア東京2012、ULTRA005。2013年個展、アートフェア東京2013。2014年アートフェア東京2014。2015年個展、2015年より採用の小学校1・2年上の図画工作教科書「わくわくするね」(開隆堂出版)に作品掲載。