Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「Digger」

2024.10.3

「Digger」

Aruta Soup

素材・技法:水性塗料・キャンバス/2024年
サイズ:H53.0×W53.0cm

Aruta Soupのグラフィティは
カルチャーのるつぼ

イギリスの文化に早くから惹かれていたAruta Soupは17歳で渡英。美術大学で学びながら、イーストロンドンのグラフィティやクラブカルチャーを吸収して現在のスタイルをつくった。ロンドンにはリーガルウォールという合法的にグラフィティを描ける壁がある。「壁そのものが作品と呼べるグラフィティピースが都市空間に存在していることに驚きました」という。「UKは人種のるつぼ。アジアンで日本人であることを強烈に意識できたことがいちばんの収穫だったと思います」と語るAruta Soup。現在、いちばん影響を受けているのは友人たちの強烈な作品だ。世界レベルのグラフィティは、多様なカルチャーが反響しあう作品でもある。

「Digger」深掘りポイント

Aruta Soupはアーティストキャリアの中でウサギを描き続けてきた。「最初は包帯やギプスはなかったのですが、作品をつくり続けてボロボロになっていくうちに今のZEROというキャラクターの姿になりました。自分にとって魂の要石のような存在です。彼さえいれば元の場所に帰ってこられる。鑑賞者にとってもそんな存在になってもらえればうれしいです」という。タイトルのDiggerとは掘る人のこと。ZEROが掘り続けて地球の裏側まで貫通させようとしている場面だ。作品をつくることは自分を掘り下げることでもあり、UNDER THE PRESSURE(圧力を感じて)という文字を入れたのは、それを示唆している。

「Digger」深掘りポイント

Aruta Soup

2009年 Camberwell College of Arts in London BA Illustration卒業。2018年フランス・ランス・グラフィティフェスティバル招待出演、西武渋谷店で個展。2019年香港Lucie Chang Fine Artsギャラリーで個展。2020年香港大館當代美術館で個展。2021年中国杭州INXX MARKETで個展。2021年INXX ×萌奇× ARUTA SOUPブラインドボックス発売。2022年香港で個展。2022年Medicom ToyからコラボレーションBE@RBRICK発売、北京Contemporary Tokyoで個展、西武渋谷店で個展。2023年阪急メンズ大阪で個展、CASETiFYとのコラボレーションによるテックアクセサリー発売 、Medicom Toyとのコラボレーションでアートトイ発売。