Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

「Anemone with Flower vase Oval GREEN 2024」

2025.1.10

「Anemone with Flower vase Oval GREEN 2024」

大沢 愛Mana Osawa

素材・技法:アクリル絵具・ミクストメディア・コラージュ・カンヴァス/2024年
サイズ:H65.2×W45.5cm(M15号)

見る人を元気にしたいと花を描く
大沢愛は、赤にこだわる

人を元気にしたいと、赤にこだわりを持って作品を制作している大沢愛。「赤には生命力だけではなく、勝利とか情熱、祝祭といったポジティブな意味を込めています」という。そのために色味の違うさまざまな赤を使い分けていて、ひとつの作品に5、6種類の赤を使うという。「赤は小さい頃から好きです。赤いワンピースで陶芸をやっている写真が残っています」というように、赤や暖色を中心に使って花を描いている。この作品に描かれているのはアネモネ。「アネモネは可愛らしい部分とちょっと毒々しい中央部分が好きです。他にもカラーとかひまわりとか、ちょっと怖い花が好きですね」。

「Anemone with Flower vase Oval GREEN 2024」深掘りポイント

花にはとがった楕円形のグリッターを貼っている。洋服の装飾に使われるグリッターはラメを固めたようなものでシートになっている。光を受けるとキラキラと輝く。大沢は、グリッターのシートをいろいろな形に切って使う。花の中心の部分は宇宙をイメージしていて、スパングルやグリッターを貼っている。他にもチューブから絵具を絞り出したり、絵具を点々と落とすなどいろいろな手法で、花粉を飛ばすといった人の目には見えない花の行為を表現している。花にまつわる顕微鏡の世界も描きたいという思いが、新しい手法を生み出している。

「Anemone with Flower vase Oval GREEN 2024」深掘りポイント

大沢 愛Mana Osawa

2000年生まれ。神奈川県在住。中学卒業後、独学でデビュー。2020年に初個展、BSフジ『ブレイク前夜』に出演。百貨店を中心に国内外で展示を行う。写真集の出版、ライブペイント、NFTにも意欲的。