Focus 作品に込められた「想い」それぞれの物語
作品を深く理解して、もっと好きになる。
制作の背景まで踏み込んで、
アーティストの想いを紐解きます。

2025.2.26
「star(ピンク)」
野原 邦彦Kunihiko Nohara
素材・技法:特殊シルクスクリーン/2022年
サイズ:H70.0×W59.6cm、ed:92
日常の中のひとときの幸せを創る野原邦彦
木彫を主軸に、平面作品や版画、伝統工芸とのコラボレーションなど、幅広いジャンルの作品を展開している。自身の幼少期に感じた想いと、大人となり、父となった今だから感じる想いを重ね、作品ができあがっていく。 「star」は野原による初めてのシルクスクリーン作品で、ブラックとピンクの二色を制作している。ホログラムとラメを散りばめた特殊紙は、見る角度によって変化する色彩を楽しむことができる。

幼少期、故郷の北海道で作った“かまくら”は雪から自分を守ってくれる安心の場所だった。広大な自然の中で見た満点の星空を、父となった今、愛娘と共に見上げている。雲間からのぞく星たちを探すこの時間は、“ひとときの幸せ”に包まれ、空へと浮き上がっていく。 浮かぶ雲に施した文様は、唐草文様やアラベスク、アイヌ文様からヒントを得て、雲間に見える星をイメージした。 今の時代への祈りや願いを込め、ゆったりとした至福の時間が流れている。

野原 邦彦Kunihiko Nohara
[gallery UG]
1982年北海道出身。2007年広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻修了。2017年上野の森美術館にて個展、2018年銀座蔦谷書店 Art Atrium(Ginzasix)にて個展、2021年世界遺産二条城にて個展、2021年大丸松坂屋主催「Think Green feat.野原邦彦」を8会場巡回。2022年・2023年アートフェア東京において7mのバルーンを展示、アートフェア東京のシンボル的存在となる。2023年ザ・リッツ・カールトン東京にてオリジナルアフタヌーンティーおよび個展を開催。2024年イベリコ豚インタープロフェッショナル協会アンバサダーに就任。さらなる活躍が期待される。