Grande Albero della Vita(生命の大樹)

2023.06.19

Grande Albero della Vita(生命の大樹)FRANCESCO MAZZI/フランチェスコ・マッツィ

素材・技法:油絵 純金銀彩/2023年春
サイズ:約52.5×106.0cm

日本とイタリアの美意識が融合して、
マッツィの光あふれる画面が誕生

フランチェスコ・マッツィが今回出品するのは「Grande Albero della Vita」。大きな生命の木という意味で、金の木と銀の木が描かれている。子供の頃から日本の文化に興味を持っていたマッツィが日本で最初に生み出したモチーフであり、彼のシンボルともなっている。金の木は太陽、銀の木は月をイメージしたもの。大木は大地と空を結ぶ存在でもある。マッツィの宇宙とも言うべきこのモチーフは、イタリア・アッシジで2023年5月に開かれた「Shine on Japan フランチェスコ・マッツィ特別展」で展示され、その革新性と芸術的研究姿勢により表彰された。

Grande Albero della Vita(生命の大樹)

マッツィは、金や銀を油絵具に巧みに調合し、イタリア・カッラーラの大理石粉を使った浅浮彫を施した画面に描いている。画面は立体的で、角度によって輝きや色味が違う複雑な表情を見せる。手仕事に対する尊敬があるイタリアならではの表現でもある。その技術はイタリア文化省高官から「絵画の金細工師」と呼ばれたほどだ。油絵具はヨーロッパのメーカーから選び出し、金は京都や金沢のものを使っている。画面のカラーバランスは日本的だ。キャンバスとフレームもアーティスト自ら自社制作したもので、フレームは吉野杉にイタリアのストーンとメタルペイントでコーティングしている。マッツィの作品は、洋の東西を軽々と超えている。

Grande Albero della Vita(生命の大樹)

FRANCESCO MAZZI◎MAZZI FINE ART

1977年、イタリア・リグーリア州生まれ。アルマーニのエグゼクティブ・シェフから現代芸術作家に転身し、イタリアと日本の2カ国を軸に活動を続ける。2020年MAZZI株式会社を設立し、ファインアートブランド「MAZZI FINE ART」を立ち上げる。フレームの外にキャンバスを表示する「3D FRAME PUSH-UP」を制作・発表し、新しいステージの展示方法として実用新案権を取得。このユニークなフレーミング技術は作品に大きな三次元性と新しい臨場感を与え、空間と調和する「トータルアート」として高い評価を受ける。2021年にMAZZI株式会社のオフィスと制作スタジオを大阪湾・関西国際空港近くに移転・オープンした。

作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。制作の背景まで
踏み込んで、アーティストの想いを紐解きます。