2023.09.04
Macchie di Sole(太陽のスポット/向日葵)FRANCESCO MAZZI/フランチェスコ・マッツィ
素材・技法:油彩・プラチナ・純金・銀彩・大理石・構造用ペースト・特殊顔料/2023年夏
サイズ:40×40×4.5cm
ギリシア神話のひまわりを
さまざまな金色で表現するマッツィ
フランチェスコ・マッツィの作品は自然や伝説、神話にインスパイアされている。アトリエの1つがあるイタリア・トスカーナでは、夏になると丘にひまわりが咲き誇る。ギリシア神話では、太陽の神アポローンを愛し続けた精霊が、太陽を追う花・ひまわりになったといわれている。この神話を描くために、マッツィはひまわりを複雑な黄金色で表現した。背景は、太陽の光で熱くなる大地の美しさを表したもの。「ひまわりと太陽の光とは親和性があります。ふたつのエネルギーと美しさを描きました」とマッツィが話すように、画面ではひまわりが光を受けているように見える。厚みのあるキャンバスとフレームは一体感を重視したマッツィのオリジナル。フレームは吉野杉をベースに、イタリア製ストーンペーストを使っている。
作品の表面は立体的で、浅浮彫のよう。これは、大理石ペーストを使って絵柄の部分を盛り上げているもの。ひまわりを彩っている金色も1色だけではない。プラチナ、純金、銀彩が組み合わされてどこにもないような色合いに仕上げている。ひまわりの中央部分は輝くブルーで表現されているが、太陽の光を浴びて輝きを増す精霊の献身的な愛情を示したもの。色によって得意なメーカーが違うということで、マッツィは油絵具を特注している。丁寧な仕事で、独自の絵画世界を作り出しているのが細部から見てとれる。
FRANCESCO MAZZI◎MAZZI FINE ART
1977年、イタリア・リグーリア州生まれ。アルマーニのエグゼクティブ・シェフから現代芸術作家に転身し、イタリアと日本の2カ国を軸に活動を続ける。2020年MAZZI株式会社を設立し、ファインアートブランド「MAZZI FINE ART」を立ち上げる。フレームの外にキャンバスを表示する「3D FRAME PUSH-UP」を制作・発表し、新しいステージの展示方法として実用新案権を取得。このユニークなフレーミング技術は作品に大きな三次元性と新しい臨場感を与え、空間と調和する「トータルアート」として高い評価を受ける。2021年にMAZZI株式会社のオフィスと制作スタジオを大阪湾・関西国際空港近くに移転・オープンした。