Starry Night

2024.03.28

Starry NightAdam Lister/アダム・リスター

素材・技法:水彩/2022年
サイズ:H40.7×W56.0cm

ピクセル化で、対象を自分のスタイルに
変換していくアダム・リスター

ニューヨークで活動するアダム・リスターは、ピクセルスタイルの先駆者のひとり。この「Starry Night」は、『Art History』という名画をモチーフにしたシリーズの1点で、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」(1889年/ニューヨーク近代美術館所蔵)が元絵となっている。対象をピクセル化する手法は、自身が好きだった8ビットゲームからの発想だという。このスタイルが早くからファッション業界で注目され、ファッションブランドとのコラボレーションが多い。ピクセルで表されていても何が描かれているかわかるのが作品の面白さになっている。

Starry Night

『Art History』シリーズは、リスターが影響を受けたアートをモチーフにしている。ゴッホの「星月夜」をピクセル化したこの作品では、満天の星と輝く月が目をひく。ピクセルで表された月は、存在感を増しているように見える。中央には教会の塔が建っているが、こちらも細部が削ぎ落とされていて、白さが視線を集めている。アダム・リスターにとって、ピクセル化は対象を自分の表現スタイルに落とし込むことだ。原画を想像できる作品を取り上げることで、見る人がイマジネーションを膨らませ、作品について考えるきっかけにしたいとリスターは語っている。

Starry Night

アダム・リスター◎GALLERY GYOKUEI

1978年、米国ヴァージニア州生まれ。スポーツ、映画や絵画など、作家自身が影響を受けた作品やキャラクターたちがモチーフとなり、ピクセレートされアイコン化された作品を制作する。この作品は『Art History』シリーズの一点で、多くの人が一度は目にしたことのある有名なゴッホの作品が元絵。オリジナル作品をすぐに思い起こせることがポイントだ。主な展覧会に「Anime in LA」(Spoke Art、ロサンゼルス、2023)、「Silver Screen」(GR Gallery、ニューヨーク、2023)、「End of the Road」(Guy Hepner Gallery、ニューヨーク、2022)などがある。

作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。制作の背景まで
踏み込んで、アーティストの想いを紐解きます。