2024.03.28
star(ピンク)Kunihiko Nohara/野原 邦彦
素材・技法:特殊シルクスクリーン/2022年
サイズ:H70.0×W59.6cm、ed:92
日常の中のひとときの幸せを創る野原邦彦
木彫を主軸に、平面作品や版画、伝統工芸とのコラボレーションなど、幅広いジャンルの作品を展開している。自身の幼少期に感じた想いと、大人となり、父となった今だから感じる想いを重ね、作品ができあがっていく。
「star」は野原による初めてのシルクスクリーン作品で、ブラックとピンクの二色を制作している。ホログラムとラメを散りばめた特殊紙は、見る角度によって変化する色彩を楽しむことができる。
幼少期、故郷の北海道で作った“かまくら”は雪から自分を守ってくれる安心の場所だった。広大な自然の中で見た満点の星空を、父となった今、愛娘と共に見上げている。雲間からのぞく星たちを探すこの時間は、“ひとときの幸せ”に包まれ、空へと浮き上がっていく。
浮かぶ雲に施した文様は、唐草文様やアラベスク、アイヌ文様からヒントを得て、雲間に見える星をイメージした。
今の時代への祈りや願いを込め、ゆったりとした至福の時間が流れている。
野原 邦彦◎gallery UG
1982年北海道生まれ、2007年広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻修了。国内外で高く評価され、若手現代作家の中でも特に注目を集める一人となっている。作品となるモチーフは、自らが持つ空間や香り、雰囲気、感覚、時間を量塊として身にまとい、愛らしくユニークでありながらも、拡張された身体としての奇妙さとミスマッチの間を行き来する不思議な魅力を放っている。彼自身は創作活動を「自分が感じ取ったさまざまなシーンを作品として形に遺す」ことだという。
2023年9月には、ザ・リッツ・カールトン東京での個展とアフタヌーンティーコラボレーションを展開。10月にはMother New Yorkにおける常設展示に抜擢されるなど、今後のさらなる活躍が期待される。