Into the Great Wide Open

2024.04.03

Into the Great Wide OpenDaisuke Hiraoka/ダイスケ ヒラオカ

素材・技法:アクリル・キャンバス/2023年
サイズ:H91.0×W72.7cm

ロボットによって、何気ない行為の
本質を見せてくれるDaisuke Hiraoka

この作品でDaisuke Hiraokaが描いているのは、たき火を見つめるロボットの親子。「このロボットは私であり、あなたです。AIに代表される高度なテクノロジーを享受している一方、アナログの感覚を覚えている存在なのです。 現代は、家庭でも、それぞれが好きなものをスマホで見ていたりしますが、ここではプリミティブなアナログの象徴である、たき火を二人で見つめているんです」という Hiraokaは、何気ない行為をロボットにさせることでその意味を静かにあぶり出す。作品はストーリーを描いてから絵にしているという。解釈を観る側に委ねる作品が多い現在、ストーリーを生命線にして、丁寧に構成するHiraokaの作法は新鮮だ。

Into the Great Wide Open

ロボットの胸には各種のメーターが描かれていて、レトロなイメージ。最新式でないところに心が動かされる。子供のロボットも同様だ。このロボットたちは1950年代の技術革新を具現化したもので、装備が古びているという設定だ。一緒にいる犬もロボットで、こちらは金属製の体にたき火が映り込んでいる。こちらは現実に存在するアイボやしゃべるぬいぐるみを想像させる。野外でプリミティブな火を見つめる時間も必要ではないかと思わせる、あたたかい色づかいや造形がHiraokaの特徴だ。

Into the Great Wide Open

Daisuke Hiraoka◎当代東京 CONTEMPORARY TOKYO

大阪府生まれ。日本で最初の大規模な未来型ニュータウン、千里ニュータウンで育つ。そこで開かれた大阪万博と、万博のシンボルである『太陽の塔』は幼い頃のHiraokaに強烈な影響を与えた。 Hiraokaは、ロボットを描くことで人間の内面の形態を探求。作品中のロボットは超現実主義的で金属的な輝きを持つイメージではなく、より人間的な表情が特徴的だ。 情熱的で鮮やかな色彩、豊かな想像力に基づく表現手法を用い、ロボットを通して、人間の内面の複雑な感情や、テクノロジーの進化の意味を表現する独特のスタイルを形成している。

作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。制作の背景まで
踏み込んで、アーティストの想いを紐解きます。