Unicorn

2024.06.20

UnicornAyaka Torimoto/鳥本 采花

素材・技法:Oil on canvas/2024年
サイズ:H53.0×W 65.2cm

子供のキャラクターを通して
神聖な存在を描く鳥本采花

子供のキャラクターを描く鳥本采花は、「描くことには自分自身のセルフケアの意味合いがある」という。自分の執着が、子供の頃の小さなこだわりにたどり着くことがあるからだ。フィクションではあるが、セルフポートレートでもあるのが、鳥本の描く子供たち。この「ユニコーン」という作品は、空想上の存在を再構築し、ユニコーンカラーをまとった新しい存在として描き出している。「明るいできごとを持ってくるのがユニコーン。キャラクターの色も形も光をもたらすようなものにしました」と語る。ルネッサンスのイタリア絵画技法を学んでテンペラ画も手がける鳥本は、天使のイメージを目標にしている

Unicorn

「子供の純朴さを描きたい。しかもその存在を人外のもの、神聖なものとしたい」というのが鳥本采花の思い。それを表現するために、キャラクターの目は動物の瞳を持っている。まつ毛も特徴的で、ウシやシカのまつ毛のように長く、ときにはガーベラなど花弁の多い花のように描かれる。風にひるがえる髪の毛のボリューム感も独特だ。ギリシア彫刻の髪の毛のように、力強くて繊細な表現を心がけたという。髪の色はユニコーンカラー。着ている服にも同様の色を使っている。

Unicorn

鳥本 采花◎MEDEL GALLERY SHU

1994年岐阜県生まれ。2021年に愛知県立芸術大学油画専攻を卒業。現在は、愛知県岡崎市に拠点を置き活動する。神話、童話、動物、惑星などを引用してキャラクター化するシリーズや、“memento mori(メメント・モリ=死を思えという意味のラテン語)”をモチーフにしたテンペラ画シリーズを制作している。2022年「ART OLYMPIA 2022」学生賞、「Tongali アイデアピッチコンテスト」三菱商事賞受賞。

作品に込められた「想い」それぞれの物語

作品を深く理解して、もっと好きになる。制作の背景まで
踏み込んで、アーティストの想いを紐解きます。

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